あまり知られていませんが、無断複製などの著作権侵害にも、刑事罰があります(10年以下の懲役または1000万円以下の罰金、親告罪)。
今回は、スクウェア・エニックス社(以下「スクエニ社」)のほかに、役員、社員、漫画の作者が書類送検されました。
書類送検容疑は2012年2月~13年12月、スクエニ社が発行する漫画「ハイスコアガール」の単行本などの166カ所で、遊技機製造・販売会社「SNKプレイモア」(大阪府吹田市)が著作権を持つ格闘ゲーム「サムライスピリッツ」のキャラクターなどを同社の許諾を得ずに複製するなどして使用した疑い 日本経済新聞2014年11月28日朝刊 |
漫画は自主回収されていて内容は確認できませんが、1990年代のゲーム事情を基礎としたストーリーになっているようです。
どのようにキャラクターが使用されたのかは不明ですが、例えば、当時のゲーム画面の描写の一部にすぎないといえれば、著作権法で認められる「引用」といえる余地もあります。
一方で、漫画の中でキャラクターが独立してセリフを述べていたりすると、引用とは言えないでしょう。
民事では、スクエニ社から、著作権侵害がないことの確認を求める裁判が提起されており、刑事事件の行方と併せて、裁判所の判断が注目されます。